吹き抜け住宅の課題は?快適な吹き抜け注文住宅を得るコツを解説 | 長野で究極の注文住宅【本物素材の平屋図鑑】
住宅情報まとめ
吹き抜け住宅の課題は?快適な吹き抜け注文住宅を得るコツを解説
2024.03.29吹き抜け住宅は、開放感と自然光の豊かさで人気を集めています。特に、リモートワークの普及に伴い、居心地の良い空間への関心が高まっており、狭い土地でも広がりを演出できる吹き抜けは都市部でも注目されています。しかし、吹き抜けは冷暖房効率の問題、音や匂いの伝播、高所のメンテナンス困難、利用スペースの犠牲などの課題も抱えています。
これらを解決するには、高い断熱性の建材や床暖房、効率的な換気システム、そしてリビング階段のような代替設計を考慮することが重要です。適切な計画と工夫により、快適で機能的な吹き抜け住宅を実現することが可能です。
吹き抜け住宅に注目が集まっている
注文住宅選びにおいて、居心地の良さや機能性だけでなく、住宅のデザインや間取りも重要です。特に吹き抜けを取り入れた注文住宅は、開放感や明るさから人気が上昇している傾向にあります。
◇吹き抜け住宅の選択をする方が増加傾向にある
リクルート住まいカンパニーが2020年に行った「注文住宅動向・トレンド調査」によると、吹き抜けを取り入れたいと考える人が増加していました。コロナ禍での外出自粛やリモートワークによる在宅時間が増加する中で、より開放感を感じられる吹き抜けがある住宅へのニーズが高まっていると言えます。
◇住まいの広さが限られがちな首都圏でも注目
首都圏では土地の価格が高騰し、狭小地に注文住宅を建築しなければならないケースも少なくありません。吹き抜けは限られた空間を有効に活用し、視覚的にも実際にも広がりを感じさせる効果があります。そのため首都圏のような狭小地においても、吹き抜けによって明るく開放的な空間を実現できるため注目されている間取りです。
吹き抜け住宅が抱える課題や欠点とは
吹き抜けのある住宅は、開放感と明るさで人気です。しかし、吹き抜けのある住宅にはいくつかの課題や欠点があります。
◇冷暖房の効率が悪く夏は暑く冬は寒い
吹き抜けはその構造上、上下に広がる空間により、冷暖房の効率が大きく低下します。特に長野市などの寒冷地においては、冬は暖かい空気が上昇し、床付近は冷え込みます。一方で夏は、冷たい空気が下に溜まりやすく、冷房の効果を感じにくくなるかもしれません。
◇音・臭い・煙が広がりやすい
吹き抜けにより、家の中で発生した音や臭い、煙が階を超えて広がります。特に、リビングとキッチンが一体の設計では、調理の際の匂いや煙が吹き抜けを通して住宅全体に広がりやすいため、肉や魚を焼く際には注意が必要です。
◇メンテナンスが難しい
吹き抜けの天井に設置された照明器具やシーリングファンは、掃除やメンテナンスが困難です。吹き抜けの天井に設置された照明やシーリングファンは、通常の住宅における設置場所よりもはるかに高い位置にあるため、掃除や電球交換が極めて困難です。
◇2階のスペースが限られる
吹き抜けを設けることで、2階の利用可能な床面積が減少します。首都圏などでよくある敷地面積に限りがある土地に住宅を建てる場合、吹き抜けを導入するためには、2階の居室や収納スペースの広さを減らすなど間取りの工夫が必要です。
快適な吹き抜け注文住宅を建設するコツ
吹き抜けがある注文住宅は課題を解決し、快適な環境を実現するためにはいくつかコツがあります。
◇断熱性の高い建材や床暖房を用いる
吹き抜けは空調の効率が落ちやすいため、断熱性の高い建材の使用が重要です。断熱性を高め、外気温の影響を受けにくい住宅を建てることで、夏や冬でも快適な室温を保てます。さらに、床暖房を導入すると床から部屋全体を暖められるようになり、吹き抜けによる床下の冷え込みを軽減することが可能です。
◇換気設備の充実と部屋の配置の工夫
吹き抜けがあると家全体の換気効率が良くなる一方で、匂いや音が上下階に伝わりやすくなります。そこで、24時間換気システムなどの機械換気システムを導入するのも効果的です。室内の空気を随時換気でき、匂いや音の問題を最小限に抑えられます。
また、話し声が吹き抜けを通して、住宅全体に反響しがちです。プライバシーを守りながら開放感を得るためには、吹き抜けに面した部屋の配置を工夫する必要があります。
◇汚れづらい器具の導入と通路の確保
吹き抜け部分の照明器具やシーリングファンは、高所に設置されるため、掃除がしにくいというデメリットがあります。汚れにくいデザインの器具を選ぶ、あるいはキャットウォークやメンテナンス用の通路を設けるなどの工夫が必要です。
◇リビング階段の導入など吹き抜けにこだわらない
吹き抜けに固執するあまり、他の空間の機能性や居心地の良さが犠牲となるケースも少なくありません。リビング階段のように、吹き抜け以外にも吹き抜けと同様の開放感を提供しつつ、空間を有効活用できる方法もあります。吹き抜けにこだわらずに、家全体のバランスを見ながら設計を進めることが大切です。
快適な吹き抜け住宅は住み心地がアップ
適切な設計と工夫を凝らすことで、吹き抜け住宅の抱える課題を解決し、多くのメリットが得られます。
◇開放的で日差しの確保がしやすい
吹き抜けを取り入れる最大の魅力は、開放感です。天井が高く、上下階が視覚的に繋がることで、空間が広く感じられます。また、大きな窓を設置しやすくなるため、自然光を多く取り入れられる間取りが可能です。自然光を多く取り入れることで、明るく快適な居住空間を実現し、昼間は照明に頼ることなく生活できます。
◇デザイン性の高い住まいが実現できる
吹き抜けは住宅のデザイン性を高める要素の一つです。一般的な間取りとは異なる独自の空間構成ができます。インテリアや照明計画においても、吹き抜けを活かした演出が可能です。例えば、吹き抜けに面した壁にアートワークを展示したり、特別な照明を設置して空間にアクセントを加えたりといったインテリアも実現できます。
◇家族のつながり・安心感が得られる
吹き抜けがあることで、異なる階にいる家族の存在が感じられます。リビングにいる親が、二階で遊ぶ子どもの声を聞く、あるいは子どもには階下から親の声が聞こえるため、安心感を得られるでしょう。吹き抜けを導入することで家族のコミュニケーションを促進し、お互いの気配を感じ取りやすい環境を作り出します。
吹き抜け住宅が、その開放感や明るさで注目を集めています。リクルート住まいカンパニーの調査によると、多くの人が吹き抜けを希望しており、特に在宅時間が増えた現代において、その需要は高まっています。都市部では、狭小地でも開放感を得られる吹き抜けの導入が評価されています。しかし、吹き抜け住宅には冷暖房効率の低下、音や匂いの広がりやすさ、メンテナンスの難しさ、2階スペースの制約など、いくつかの課題が存在します。
これらの課題を克服し、快適な吹き抜け住宅を実現するためには、断熱性の高い建材の使用や、換気設備の充実、汚れにくい器具の選択、そして、吹き抜けにこだわらない多様な設計の検討が必要です。これにより、日照確保やデザイン性の向上、家族のコミュニケーション促進など、吹き抜け住宅特有のメリットを最大限に活かすことができます。